それは、考えなしになるための方法論。
イントロダクション
手帳の使い方についていろいろ考えたのでまとめる。
覚えておくために書く
まず何でもいいから、その日あったこと、考えたことを書く。何でも書く。ニュースに頼ってもいいから書く。
放っておいたら何もかもを忘れてしまう。確かにあったはずのことなのに、思い出せないなんてことが許せると思える? 私には無理です。
書くことは最もプリミティブな記録のひとつです。どんな悪文でどんなクソみたいな内容が書かれていても、それがいつかきっとあなたの財産になる(その価値はあなたの頭の中だけにしかないとしても)。 たとえば、レフト式の手帳を使うなら、左ページの余ったスペースにN行日記を書く、というのはいかがでしょう。
本当は電子化したほうが、検索性の上で便利ですが、そこのところは私もどうしたらいいのかはかりかねているところです。
忘れるために書く
覚えておきたいことを書いておくことは、思い出そうと思った時に思い出せる、ということに他ならなりません(実際にはどうインデックスを作っておくかが問題になるのですが)。
逆に言えば、いつでも思い出せるなら、忘れてしまってもかまわない、ということでもあります。ある事項について、それを忘れてしまえば、そのことについて考えずにすみます。思考のリソースは有限なのです。
六月最終週に新クールの録画予約するということを書いておき、定期的にその記述を確認しておけば、その日まで毎日覚え続けておく必要はないし、それまでに忘れてしまう確率も下がることでしょう。
思いついたやるべきことはすぐに書く。書いたものは定期的に見直す。この合わせ技で、何かをし忘れるということはそれなりに減ります。サボりとかを除けば。
どこでも最低限のメモを残せるように、小さなメモ帳を常に持ち歩くというのもよいでしょう。ダイヤメモとか、すぐメモとか、あるいは野帳とか。これらは、手帳がポケットに入らないくらい大きい、上着の中ポケットに手帳を入れると膨らんでかっこ悪い、などの場合に有利です。
考えなしになるために書く
これは、やることを覚えておかなくてもいいようにしたら、次は「これから何をするべきか」を考えることすらしないようになりたい、という怠惰な発想に基づいた行動スキームです。
まず、やるべきことのリストを整理します。これはwikipediaのGTD項を参考にしました。
foreach やるべきことのリスト:
if 行動すべき?:
if 所要時間 <= 2分:
いますぐやる
else if 達成にいくつもステップが必要?:
“プロジェクト”リストへ追加
else if 自分がする必要がある?:
誰かに依頼する
依頼した内容を“連絡待ち”リストへ追加
else if やる日程が決まってる?:
日時を指定して手帳やカレンダーに追加
else:
“次のアクション”リストへ追加
else:
if いつかはやりたい?:
“いつかする”リストへ追加
else if 記録しておく価値がある?:
“資料”リストへ追加
else:
忘れる
重要なのは、具体的で実行可能なステップに分解することです。
「これをするためにはどうすればいいんだろう?」と考えるようではダメです。何も考えること無く書いてあることに従えるようにするのが肝要です。
また、優先度があまりにも異なることを、リストに並べないほうが良いかと思います。締め切りなどで、明確に優先すべきことがあるならスケジュールに入れてしまう方がよろしいかと。
そうしないと「このリストのどれから手を付けよう」と考えなければなりません。思考は敵です。「どれも同じくらいの優先度だから、どれから手をつけても同じ」という状況を作るのです。
私はNOLTYの手帳と手帳専用の補充ノート、それに普通のキャンパスノートを使って、下記の様に整理してます。
基本的には場所毎のアクションへの落とし込みを意図しています。が、これは私にとっても持続不可能なくらい、項目が細かすぎるかもしれませんので、そこは各自うまくやりましょう。
- “プロジェクト”
- 業務:手帳に挟んだノート
- プライベート:手帳に挟んだノート
- “連絡待ち”
- 業務:手帳に挟んだノート
- プライベート:手帳に挟んだノート
- カレンダー:
- 日付が決まってる:手帳の月間ページ
- 日時が決まってる:手帳の週間ページ
- “次のアクション”
- 業務:手帳に挟んだノート
- 家:手帳に挟んだノート
- 市内:手帳に挟んだノート
- 市外:手帳に挟んだノート
- 通販:手帳に挟んだノート
- “いつかする”
- 設備:手帳本体のノート欄
- 読む本、聞く音楽、見るアニメ :手帳本体のノート欄
- 勉強したいこと:手帳本体のノート欄
- 旅行先:手帳本体のノート欄
- “資料”:独立したノート
あとは、前のアクションが終わったら、自分のいる場所の“次のアクション”リストを順次実行するだけです。どれも同じ優先度なら、どれから手を付けても、上から下でも、乱択しても、問題ないですよね?
個人的な感覚として、このGTD(もどき)で2番目に大事なのは「具体的で実行可能なステップに分解する」で、1番目は「2分以内にできることはすぐやる」です。
予約をする
絵に限らず、何事も突然上手くなることはありません。時間で殴る必要があるのです。
レフト式やバーティカル式の手帳を使っているなら、そのための時間を先にalloc
してしまうのです。特に、長期目標の場合には、上記したプロジェクトリストの中身と連携するのが良いのだと思われます。目標から逆算して分解した具体的な行動を、実施する時間を確保しておくことで着実に推進するのです。
実のところ、ここのパートは自分もまだうまくできてないのですが、毎日一定の時間を確保して作業するのは脳にいいって『できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか』にも書いてあったし、上手くいって欲しいし、上手くいくようになりたい。
結論
tl;dr: 二分以内にできることはすぐやれ、やることリストを作るなら明確で具体的な行動の形で書け、やりたいことがあるなら時間を決めて毎日やれ。
余談
来年にはまた“最高の手帳活用法”を“発見”して書き方変わってる予感しかない。
参考文献
意志力の話
- 作者: ロイ・バウマイスター,ジョン・ティアニー,渡会圭子
- 出版社/メーカー: インターシフト
- 発売日: 2013/04/22
- メディア: 単行本
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GTD関連
- 作者: デビッド・アレン,田口元
- 出版社/メーカー: 二見書房
- 発売日: 2015/11/26
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (6件) を見る
その他
できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書)
- 作者: ポール.J・シルヴィア,高橋さきの
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/04/08
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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