私の工具箱(電子工作編)
Soldering
基本的にはHAKKO FX-600を中心に揃えている。2C、4C、2.4D、T18-S4というこて先の選定はゴッドはんだの真似。
作業をするときに使うものやメンテナンス用品。こて先カバー、吸煙器、こて台、こて先復活剤、そしてペンタイプのフラックス。一度フラックスの瓶を倒してからというもの、ペンタイプばかり使うようになった。
はんだこて台を別途用意するくらいなら最初からFX-888Dへ行った方がいいかもしれないと今なら思う。こてを変更してツイーザなど使えるのが大きな利点。表面実装の抵抗、キャパシタなどを外すときに便利だ。
その他作業用の便利なツール。ワイヤストリッパは必需品だけどこだわりはないのでとりあえずホーザンを選ぶ。ピンセットは非磁性のSUS304のものを選んだ。ICの足を曲げたくないなら真空で吸い上げるピンセットも考慮に入れよう。電子工作で細い端子などをカットする際に使うのはマルト長谷川のケイバ・ミニ。SPPONは手直しに必須。パターンカットにはOLFAのデザイナーズナイフを。腕の本数の最頻値が2である現生人類にとってgootのマルチクランプはとても便利なのでぜひ持っておこう。
圧着工具は揃え出すと沼だけど、端子台を使う時、ユーロターミナルを使う時、PCやArduinoなどのピンヘッダを使う時には被覆まで同時に圧着される工具があるととても便利。純正品は高価でとてもじゃないけど手が出ない。
熱収縮チューブを使うときに便利なヒートガン。サイズからプラジェット・ミニを選定したものの、表面実装部品をどうこうするには向いていないので、もっと大きな温度可変のものを買っておけばよかったかもしれない。
Instruments
テスタは、とりあえず三和のPM3を買っておけばいいのではないかな。いいテスタを買ってもこの小ささは役に立つ。
もうちょっと上を狙うなら日置のミッドレンジが好みなのでそのうち手に入れたい。反応が早い。TrueRMSでもある。ただしビープ音が煩わしく感じられるかもしれない。秋葉原へ足を運べるのであれば東洋計測器で実機を触れるので試してみよう。
熱電対での温度測定ができない、μAレンジが無い、などの不満が出るかもしれない。しかし、前者は数千円のUNI-T製品で解決できる。というかすでに持ってる。別に温度をテスタで測らなければならない理由はない。 後者については、µCurrent™ GOLD/TinyCurrentなどのソリューションが、まあないわけでもない(オシロスコープでも使えるしね)。こっちは持ってない。そもそも果たしてμAレベルをハンドヘルドDMMで測定すべきものなのか、という問題がある。
電源は菊水かテクシオのものを選ぶと、電圧電流をプリセットできるので便利。私はアウトレットで安くなっていた型落ち品を選んだ。中古を探してもいいと思う。
オシロスコープについて。これが一番悩ましい。
大きな変化その1。Keysight製品が個人相手に商売をしなくなった(らしい)。そもそもKeysightのオシロが10万円台で買える!
だったDSOX1204Gも今や25万円。欲しかったけど、もう手に入らない。時代は変わった――
大きな変化その2。割安の選択肢だったAnalog Discovery 2についても、度重なる値上げで5万円台に。さすがにこの値段にまで到達すると、旨味がないように感じられる。
これから揃えるという人には、Analog DevicesのADALM2000がまだ2万円で、ギリギリ勧められる。が、これも秋月での取扱終了が予告されている。残り在庫16個 (as of 2023-01-08)。生産自体は続いているようだけど、Digikeyなどでは3万台前半。最初が1万円程度だったことを思えば、遠くまで来たものだ。
こうなると望みは中国系メーカのベンチトップオシロスコープへ託されることとなる。私ならSDS1000X-Eシリーズの4chモデルを選ぶだろうか。SiglentはTeledyne LeCroyという有名メーカにOEMしている。ライバルのRigolよりフロアノイズが小さい(らしい)。操作系もRigolよりはくせがなさそう(に見える)。AWGを別に買えばボード線図もプロットできる。
もっと予算があるなら上位機種のSDS2000X Plusに行くのも良いだろう。内蔵の50Ω終端がつくのはこのモデルから。一方のライバルのRigolは定番メーカ。MSO5000シリーズは機能満載の割に価格が安いので欲しい機能があるならこちらが良いだろう。ただ、電源解析オプションとかついてきても、電流プローブと高圧差動プローブを揃えなければ始まらないので、どこまで実用的かどうかはわからない。
ロジックアナライザについても事情は同じだ。SaleaeのLogic Proシリーズは果たして何倍の値段になっただろう。為替と送料を込みで考えても、non-commercial discountに頼らざるを得ないだろう。