久しぶりにTeXの環境構築を行ったのでそのメモ。
W32TeXからTex Live 2016への移行
前回はTeXインストーラ3で環境構築を行ったが、今回はTeX Live 2016を用いることにする。
なお、Tex Live 2017が2017-05-01にリリース予定であり、そちらではLuaTeXが1.0になるようなので、急ぎでないならそちらを待ってからインストールするのがいいかもしれない。
Installing TeX Live over the Internet - TeX Users Groupからinstall-tl-windows.exe
をダウンロードしてインストール。時間はかかるけど詰まるところはない。
LuaTeXでの日本語環境
pTeXと同等(互換ではない)の環境を目指して、LuaTeX-ja環境が整備されつつある。
\usepackage{luatexja}
LuaTeXではjsclasses
文書クラスは利用できないので、代替としてltjsclasses
が利用できる。
また、確認していないがBXjscls
(BXjscls - TeX Wiki)も利用できるようだ。
フォントについてはluatexja-fontspec
を利用して、英文、和文のそれぞれについて指定できる。
\usepackage{luatexja-fontspec}
\setmainfont[Ligatures=TeX]{TeXGyreTermes}
\setsansfont[Ligatures=TeX]{TeXGyreHeros}
\setmainjfont[BoldFont=IPAexGothic]{IPAexMincho}
\setsansjfont{IPAexGothic}
プリセットも用意されていて、latexja-preset
から利用できる。
\usepackage[ipa]{luatexja-preset}
ルビ、傍点はluatexja-ruby
パッケージ。
\usepackage{luatexja-ruby}
LuaTeX-ja環境での縦書き
縦書きの文書クラスとして、ltjtarticle.cls
、ltjtreport.cls
、ltjtbook.cls
が利用できる。
ところでluatexja-preset
でexpert
オプションを設定してもダブルクオーテーションはダブルミニュートにならないのだけど、これはどうすればいいのだろうか。
PDF出力時の見開き方向
Acrobat Readerで見開き表示をするときの綴じ方向を指定するためにはhyperref
パッケージを使う。
\usepackage[pdfdirection=R2L]{hyperref}
個人的な規約
バックノウハウ感しかない。
------ %ダーシ
\vspace{1em} %空行
% 上下余白調整
\usepackage[top=20truemm,bottom=10truemm]{geometry}
% openright時用の綴じ側余白調整
\setlength{\oddsidemargin}{-1in} % set real left margin 0pt
\setlength{\evensidemargin}{-1in} % do
\addtolength{\oddsidemargin}{15mm} % odd page 25mm left margin
\addtolength{\evensidemargin}{25mm}% even page 15mm left margin
\noindent「行頭の括弧はnoindentで対処する」
『TrueTypeフォントパーフェクトコレクション』
改訂6版 TrueTypeフォントパーフェクトコレクション (デジタルBOOK)
- 作者: Font by Bitstream Inc.,深沢英次,インプレス編集部
- 出版社/メーカー: インプレス
- 発売日: 2013/03/08
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
有名どころのフォントが破格値で手に入るすぐれものです。詳しくはリンク参照のこと。
ちなみに好きな字体はFrutiger、Avenir、Optima、Palatino、Gothamあたりです。Macintoshがほしい。
このフォントをTeXで使うにはTrueType Fonts Perfect Collectionの指示に従えばいい、はずなのだけれど、前の環境でうまくいったこれが今回の環境だとうまくいかない。
サンプルファイルをplatexにかけてdviファイルを作った後、dvipdfmx -f bitstream.map filename
すればpdfはできるのだけれど、何が悪いのだろうか。