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カシオ MQ-24-1E

 一時期、BRAUNの腕時計が欲しかった。

 BRAUNというのはあの髭剃りや電動歯ブラシで有名なドイツの家電メーカーのBRAUNで、かつては目覚まし時計や腕時計を作っていた。目覚まし時計ではAB1、腕時計ではAW10(初代MR2ではない)が最も知られているだろうか。

Braun AG Armbanduhr.jpg
By Banffy - Own work, CC BY-SA 3.0, Link

 正確に言えば、今もBRAUNブランドの時計は売られている。でもこれはライセンスを受けた別の企業が作っているものだ。

BRAUN(ブラウン)公式サイト|腕時計・クロック

 オリジナルを買い逃した私は、数年越しのBRAUNブランド復活に大いに喜んだ。でも、アキヨドのショーケースを何度も眺めたにも関わらず、私がそれらを買い求めることはなかった。
 現代風にアレンジされたコレクションは全体的に大きくなっていた。デザインに関しても、どこか好みから外れてしまったという思いが拭えなかったのだ。


 話は変わって。最近、腕時計を買った。
 買ったのはカシオのMQ-24-1E。好みを優先して国内モデルにない色を選んだけど、それでもAmazon.co.jpから簡単に入手できる。

 そうして思ってしまったのだ。腕時計、これでいいのでは?

 確かにこの時計には高級感のかけらもない。
 ケースもバンドもただの樹脂だ。タイマーも時報もストップウォッチもカレンダーさえついてない。ただの3針時計。精度に関しても、セイコーシチズンが誇る年差クォーツのようにはいかないだろう(ところでこの時計はシチズン系列であるミヨタのムーブメントを使っているらしい。サプライチェーンは複雑怪奇なり)。
 でもそれは当たり前だ。なにせ2000円でお釣りがくる値段しかついていないのだから。 

 私は腕が細い。腕周りで言うとおそらく15 cm程度しかない。一般的な38 mmの腕時計でさえ大きすぎる。近年の主流である40 mm以上なんてもってのほか。そのような人間にとって、直径33 mmに過ぎないケースは小さすぎる、という批判はまったく当てはまらない。
 小さい、薄い、軽い。一応防水していて、なにより壊しても惜しくない、使い捨ててしまってもいいんじゃないかと思えるくらいの気楽さ。
 そして、何よりこれ以上切り捨てることも難しいほどにシンプルなミニマルデザイン。この時計を眺めていると、BRAUNの時計でなくても、これでいいんじゃないかって思ってしまう。そんなデザイン音痴なことを言ってるとDietrich LubsやDieter Ramsに殴られるのでは?

 そういうわけで私は最低クラスの価格帯で売られているこの時計を結構気に入ってしまったのだ。
 使い捨てだなんてとんでもない、壊れるまでは付き合ってみたいと、今のところは思っている。
 でもまあ、5万円以上する腕時計なんて持ったことがないし、持ったら持ったで、またその時にこの気持ちはいとも簡単に変わってしまうのだろう。

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